日本が本気を出すとトイレはこうなる
毎年毎年、というか毎四半期ごとに新しい家電は発売され機能は続け進化し続ける。
かつて日本メーカーが席巻しリードしてきた世界の家電市場も、最近はiPod/iPhone/iPad、Appleだらけだ。
アジアのメーカーのようにコストパフォーマンスだけではなく、欧米のメーカーより品質で勝る日本のメーカー、技術力に裏打ちされた独創性で今一度世界のトップに返り咲く必要がある。
発売当時のウォークマンのような、ファミリーコンピューターのようなインパクトを世界に与える必要がある。
今こそ日本の製品に必要なのは「独創性」だと思う。
先日、平日の午前中にヨドバシカメラに出掛け、3Dテレビを体感してきた。テレビの前に置かれた台に、薄いグレーのフィルムを貼ったメガネが置かれている。
平日なので普段はごった返しているフロアにお客さんはチラホラ居るだけだ。
子供の頃に見た赤青メガネで見た3Dの「飛び出る」感じと違い、奥行きもしっかり表現され、「立体的」だ。
下のフロアにはこれまた話題、“羽のないダイソンの扇風機”もあった。
まわりに人が居ない(平日の午前中なので)のを確かめてから輪っかに手を抜き差ししてみる。
手を入れた状態でも「モォー」っと、風というか「空気」のかたまりが吐き出されてくる。不思議だ。
「おしりだって洗って欲しい」
中畑貴史の名キャッチコピーで登場したウォシュレット。
その後も進化し続け日本の独創性、技術力の高さを世界に示している。
おしりを「洗う」ことに関しては、その清潔さ、快適さは万人が認めるところで、ウォシュレットは市民権を得ている。
それまで「用をたす」だけだったトイレに「洗う」という行為を付け足したウォシュレットは素晴らしい。
しかし、「洗う」だけでいいのか。
トイレはこれで完成型だろうか。
何か忘れてはいないか。
そう、「流す」行程だ。
確かに最近の節水トイレでは「少量の水できれいに」流せる。
しかし「流す」は「流す」でもそれは“少ない水で流す”ことにのみ主眼がある。
“「流す」という行為を違う角度から見ることが出来るのではないか”というのが今回のテーマだ。
長い前置きでした。
注目したいのは「便を流すことの爽快感」。
「お尻を清潔に保つ」「少ない水で流す」機能面ではなく、あくまで使用者が「気持ちが良い」、「トイレに行くのが楽しくなる」トイレ。
「流す」行程に注目することでそれが可能になる。
説明しよう。
ベルトを右手で外すと同時に左手でドアを閉め、ズボンを下げるのももどかしく便座に腰を下ろすあなた。
しばらくの奮闘があった後、目的を達する。
ここからだ。
産み落とされたあなたの分身にセンサーが反応し、便座後部下に設置された赤色レンズが「チカッ」と光る。
あなたの分身上を0.2秒でレーザーが走り、便の形、骨密度ならぬクソ密度を瞬時に計測、便の質量がはじき出される。
計測されたデータは演算処理され、便座最前部、あなたの股のあいだに設置されたホログラムユニットから3D画像として眼前に浮かび上がる。
上下左右にぐるぐる回転もさせてもいいだろう。
映像の横には水に溶けた分身から分析したデータも表示される。
「流出タンパク質何mg」「流出ビタミン何mg」とか。
“ビタミンが足りていません。もっと野菜を採りましょう”なんてお節介も焼いてくれるしまつ。
正にホームドクター、便に対する認識も「排泄物」「きたないもの」から「健康バロメーター」「情報の固まり」に変わる。
ありがたや。
情報まで絞りとるというエコ指向。
これが普及し健康志向がよりいっそう高まると、当然大手メーカー、たとえばオムロンも参入してくるだろう。
商品名は「オムロンウンコ(以下雲古と表記)スキャン」で決まりだ。
便座に座った真央ちゃんが「真央うれしい。超うれしい」とカメラに向かってニッコリ微笑むCMが目に浮かぶ。
しかしここまではあくあまで二次的な機能に過ぎず、「雲古スキャン」の真骨頂は便を流す段階で発揮される。
なかなか回らない固いレバーは、ある段階で急にスッと軽くなり(コンピューターで荷重を制御)、ドッと水が流れこむ。
しかし水流は障害物(雲古)で半分に割れる。
あなたがハラハラしながら見ていると、雲古は水流に身を削られ削られゆっくり動き出す。
“山動く”思わず呟きながら見守るあなた。もう一息で流れ切る、という所でタンクの水は底をつく。
“どうしよう、タンクに水が貯まるまで待ってもう一度流そう‥”と考えた一刹那、空になったはずのタンクからドバッと水の塊が吐き出され、雲古は一瞬で下水管に叩き込まれる。
これは気持ちいい。
そう、便が「流れそうで流れない」ように雲古スキャンが水量を調整していたのだ。
流れ方は今回ご紹介した「山動く」のほか、一気に最大吐水量で便を粉々に砕き流す「アルマゲドン」、あなたが退室したあとプカッと雲古が浮かび上がる「里帰り」など完全コンピューター制御された36モードが用意され、あなたは毎日「今日はどのモードでいこうかな」と「迷い箸」ならぬ「迷い尻」することになる。
「いかに気持ちよく流すか」
日本の技術者がこれに気付いたとき、トイレは次の段階に突入するだろう。
生理的にもスッキリ気持ちよくなり、お尻も洗ってキレイさっばり、体の健康も測定でき、最後は気分が爽快、ストレスも一緒に流してトイレを出る。
日本の技術力なら出来る。
キャッチコピーは”雲古だってかまってほしい”でキマリだ。
